2014年2月16日日曜日

RPG のモンスター種類はどんなもの?

拙作「乙Q迷伝」、もうできそうや、と思ってからなかなか完成しない今日この頃、雑魚敵ってどのくらいパターン作ったらいいのか? と今更 悩んでおります。とりあえず上の絵はそれぞれアニメーションパターンを持っているので実際は200枚くらいは作っています。よう頑張った。

私の大好きな洋ゲー「DOOM」(元祖FPS)ではマップとか作れるフリーウェアがあったりしますが、 たしか敵の種類は20もなかった。それでも、多種多様なシチュエーションを作れたものです。 もっとも、アクション要素の強いゲームなので、広い部屋でインプ(弱い雑魚)30体に囲まれる、とか狭い足場でカコデーモン(浮遊敵)に 襲われる、とか遥か遠方からレブナントが誘導ミサイルを発射してくる、とかデーモン(近接攻撃のみの雑魚)を盾にして敵の弾丸を防ぐ、とか 「地形+敵の特性+敵の配置」という組み合わせで本当に無数のパターンが演出できます。

▲デーモンとサイバーデーモンでは戦闘力に雲泥の差がある。 さすがSFの世界、サイバー最高。

こういうこと(地形や高低差、敵との距離による演出など)ができたら、ゲームとして面白いのですが RPG の場合、そこまでシチュエーションのパターンは増やせないので、 敵のバリエーションを増やすことによってプレイヤーを飽きさせないようにします。 スーパーマリオなら最弱の敵、クリボーだってマップの嫌らしいところに配置すればハイレベルな敵に化けることもあるでしょうが、 ドラクエでいうスライムはどう頑張ってもハイレベルなモンスターには化けません (逆に言えば弱~い敵がどう逆立ちしてもプレイヤーの脅威にはならない、というところが、RPG のお約束なのかもしれません)。

ドラクエ、DQ ということで初代を見てみましょう(下の絵は著作権に配慮して25%に潰しています)。

スライム、あくまのきし、おおさそり、ストーンマン(?)、ドロ(?)、なんたらドラゴン、スライムべス、竜王…
数えたら39種類ですね、竜王の変身前形態までありますから、正確には38種類ですね。 さらに色違いを除いた純粋な造形パターンで見ると、スライム族、騎士族、サソリ族、ゴーレム族、目玉族、ドラゴン族、リリカント族、 魔導師族、触手族、骸骨族、コウモリ族、キメラ族、ゴースト族…以上です。たったの 13種類。 ただ、実際にプレイしてみるともっといるような気がする…というのはポイントだと思います。 作り方がうまいんでしょうね。

さすがにファミコン時代のコンピューターRPG黎明期の作品であるなら、勝てる要素がいっぱいあります。 次はDQⅡを見てみましょう。
ドラゴンクエスト2 モンスター図鑑
上記リンク様によりますと雑魚敵は77種類、中ボス・大ボスとしてアトラス、バズズ、ベリアル、ハーゴン、シドーがおり コミコミだと82種類となります。

DQⅢだとまた増えて136種類。DQⅣだとさらに増えて182種類。ファミコンといえども侮れぬ。 しかし、大事なのはゲームを通じて出てくるモンスターの総数ではなく、あるエリアで出てくるモンスターの種類です。 最近は android版の FFⅣリメイク版をプレイしたりしていますが、雑魚敵の種類は楽に200を超えるものの、 ある寄り道ダンジョンではたかがか5種類程度の敵しかでてこなかったりします。 種類が少ないと下手すると3連発同じ敵との遭遇なんてこともあり、「またコイツラかよぉ」って思います。 と、なるとゲーム的に似た構造を持っているウィザードリィ(FC版)を参考にしてみます。 さすがウィザードリィ(初代)だけあって、AppleⅡ、Macintosh、IBM-PC、C64/128、PC-8801、PC-9801、MSX2…と 様々なハード(パソコンですけど)に移植されております。Window登場以前!という時代を感じずにはいられない。
得物屋24時間
上記リンク様によりますと地下1階~地下10階までそれぞれに代表種が5~15、ランダム出現が全95種、固定敵が全6種のようです (要するに敵の種類は101種類)。 固定敵といっても地下4階で戦うハイニンジャ、ハイプリースト、レベル7メイジ、レベル7ファイターという「使い回し感120%」を含みます。 ボスっぽいのはバンパイアロード(下僕)、ワードナ(主人)だけです。あとサイトにはありませんでしたが、マーフィーズゴースト(雑魚)も入ると思います。 もっとも、各階には代表種以外の敵も徘徊しているので、例えば地下10階だと代表15種ですが、出現率が高いのはもっと浅い階にもいる汎用敵の方で、 合計すると25種類にもなります。

各階ともに普通の敵が出てくるAのテーブルが 3/4、強めの敵が出てくるBのテーブルが 3/16、ヤバい敵が出てくるCのテーブルが 1/16で選ばれます。 さらにテーブル内が細分化されている場合もあり、地下8階、地下9階ではCのハイレベル枠がたったの4.3%です。 つまり、1/16 かつ 4.3%ということなので実質 1/400 くらいじゃないでしょうか (正確には 1/372)? パチンコで言うなら完璧なマックスタイプの当選確率です。 そんな 1/400 の遭遇はバッドプレゼントということであり、 地下8階、9階でもバンパイア、グレーターデーモン、ポイズンジャイアント、ドラゴンゾンビらと 1/400 で出会えます。 地下9階ならレイバーロード(ちょいワル男爵)、ハイマスター(忍者頭領)、フラック(テレビリポーター)、アーチメイジ[B](ガウン爺)、マイルフィック(チキンジョージ)といったさらに強い最強種も含めたリア充グループと 1/400 で出会えます。 地下10階になるとこの辺の敵とは 1/8 位という、普通に有り得る遭遇率です。さすが地下10階、天変地異みたいな怪物と普通に遭遇します。 別格な感じがハンパねえっす。 ティルトウェイトを使う難敵マイルフィックだけは遭遇率が低くなるようですが…。

私が誰かって? マイルフィックさんだよ。鳥頭のモヒカン紳士ですよ。ウィズのザコで最強なんだぜ。そんなことより " hatamoto " で画像検索してみなよ。 すんげえ、ガンダム(武者ガンダム???)がいますよ。

話が脇にそれますが、日本ではゲームといえども「人間を殺す」ことに後ろめたさがあります。 今、海外で最も人気なジャンルはFPSらしいですが、これこそ人間を狙撃して殺すゲームであり、 やはりというか当然というか日本ではそんなには流行っていません。 ウィザードリィはレベルXファイターとかレベルXシーフとかマスターニンジャなどの人間としか思えない敵が多数存在します。 こちらと同じ職業形態なので、他の冒険者と出会ったら殺し合いをするということなのでしょうか? ちなみにサムライ職に関しては レベル3サムライ、マイナーダイミョウ、メジャーダイミョウ、チャンプサムライ、ハタモトという奇天烈(キテレツ)なネーミングセンス。 旗本が大名より強いって設定がいまいち分かりませんが、
・ひよっこ侍(レベル3サムライ)
・田舎弱小大名(マイナーダイミョウ)
・有名大名(メジャーダイミョウ)織田信長とか武田信玄?
・名の知れた武将(チャンプサムライ)上杉謙信(大名ですけど)、柴田勝家、加藤清正、前田慶次あたり?
・名は残らぬが一騎当千のはたらきをした猛者(ハタモト)
ということなのでしょうか? 意外とリアルな舞台裏。
とにかく、人間の敵がいないという点においてはドラゴンクエストが意識が強いようです。 こういう細かいところを見ても、日本人に受けるよう徹底的にマーケティングされていることが分かります。 ファイナルファンタジーは割と帝国兵みたいな人たちと戦います。

最後にFC(ファミリーコンピュータ)版のFF(ファイナルファンタジー)シリーズも見てみましょう。
初代が128種、しかし既に固定敵が多い。ガーランド、海賊、アストス、バンパイア、リッチ、マリリス、クラーケン、ティアマット、 リッチ(再登場)、マリリス(再登場)、クラーケン(再登場)、ティアマット(再登場)、カオスと13種類も非雑魚扱いです(海賊は雑魚ですが)。 FFⅡでも128種。

FFⅢで事情が変わってきます。雑魚敵は194種。固定敵がまた多く、 ランドタートル、ジン、おおネズミ、メデューサ、とうぞくグツコー、サラマンダー、まどうしハイン、クラーケン、ゴールドル、ガルーダ
オーディン、ヘカトンケイル、ドーガ、ウネ、リバイアサン、バハムート、ティターン、アモン、くのいち、ジェネラル、ガーディアン、スキュラ
まおうザンデ、ケルベロス、エキドナ、アーリマン、2ヘッドドラゴン、くらやみのくも
なんと28種。合わせて222種達成。DQⅣの182種を上回るバリエーションです。 さて、この魔法のような容量圧縮★超☆技術を見せつけたFFⅢあたりからRPGのパターンが変わってきます。 つまり、ウィザードリィやDQⅡのような強雑魚と苦労しながら戦っていくパターン(ラスボス以外の固定敵は少ない)から、 各ダンジョンに中ボスが配置されており、雑魚敵との戦闘ではそんなに苦労しないというFFⅢ型へとシフトしていく (それでもラストダンジョンは異常に長いうえにファミコン版は途中セーブもできないという鬼畜仕様でしたが)。 FFⅢはジョブチェンジシステムを搭載しており、当たりのジョブでメンツを構成すればラストタワー以外では雑魚戦に苦労しない設計となっている。

FFⅢの時点ではボス戦重視型の戦闘バランスもまだ確立されていませんでしたが、 のちの映像(ムービー)重視の風潮とも相性がよかったからか、スーパーファミコン、プレイステーションとハードが高度化していく中で、 ボス戦重視型(ザコ戦楽勝型)が RPG のメインとなっていきます。 さて、拙作「乙Q迷伝」ですが、むしろウィザードリィやDQⅡを見習った強雑魚戦慄型でいこうと思っています。 どちらのパターンでいくか? は、最低限決めておかないと作ろうにも作れません。 それで、表題のテーマですが、DQⅡが 82種、ウィザードリィが 101種であるため、70~100種くらいが妥当なのかと思います。 現在、40種しか作っていないのでもうちょっと増やすかもしれないです。

ハードの進化という面ももちろん無視できませんが、強雑魚戦慄型のオールドスタイルの方が雑魚敵の種類が少なくても成立するという事実。 逆に最近のゲームは、あまりにも雑魚敵を使い捨てしすぎたのかもしれません。 現に初代ドラクエの39種なんか見たら見たで見覚えのある顔ばかりです。 増えたら増えたで記憶に残らない雑魚が増えるだけなのかもしれません。 それはそれで、さびしいよね~、と思いませんか?