2014年6月29日日曜日

戦闘力風にダウンロード数を語る

無料アプリにおいて強さを表す指標、 それはDL(ダウンロード)数でしょう。 今回は戦力差を実感するためにドラゴンボールになぞって比較してみます。 雑魚の雑魚っプリと上位クラスの化け物っプリが、より鮮明かつリアルに受け止められる企画になったかと思います。 なるべく個人開発者っぽいところを抑えました、100万より下に限って言えば。

★ゴミ・アプリ / DL : <10
アプリ作成するためには??? Java をベースにした Android 独自のプログラミング言語を、それなりに理解する必要があります。 しかし、ゲームの体を成していないような、ただテキストが画面に表示されるだけ、みたいな習作であっても、5DLくらいなら可能です。 戦闘力5といえばドラゴンボールの作中で最初にスカウターが使用される場面です。地球人の農家(銃を持ったふつーのおっさん=マイケル・ムーア似)が戦闘力5です。 これは、戦闘力の基準です。 戦闘民族サイヤ人が戦闘力1,000をこえるのは凄いことなんだと相対的に分かります。 ふつーのおっさん(仕事でExcelなんかを使っていて、インターネットで調べごとができる程度)でも、ダウンロード5のアプリを作ることは可能です。 ただし、最初の1カ月でわずかなDLを獲得したあとは年単位でもDLがまったく増えない!という状況になりますが…。

★乙Q迷伝【30万人が挑む危険な資格】 / DL : <500
まず私の持っているアプリですが、古いものでもせいぜい600程度。 これはラディッツ(1,220)に劣ります。 さらには(ナメック星にて登場する)フリーザ配下の名無し雑魚戦士よりも弱っちいです。 名乗ったらいかんレベルってことか?

★イビル・スレイヤー 【ダンジョンRPG】 / DL : 5,000~
個人制作のRPGですね。ナッパくらいの戦闘力(3000-7500)ですね。 (アプリを作らないor作れない)一般人からしてみたら十分に脅威。 下級戦士目線であれば十分なエリート。 でも、食べれません、これでは。

★ワールドゲート RPG / DL : 10,000~
★Iam a Hiro / DL : 10,000~
個人制作のRPGですね。戦闘力で比較すると地球襲来時のベジータ(16,500-18,000)、 あるいはナメック星で対面したベジータのライバル的な存在であるキュイ(18,200)、ザーボンさん(22,000-27,500)、ドドリアさん(19,500)あたりですね。 多めに考えればリクーム(45,000)、ジース(42,000)、バータ(43,500)といった特選隊レベルかもしれません。 うまくやれば中学生~高校生(あるいは既婚者リーマン)の小遣いくらいは稼げるでしょう。 汚ねえアプリだぜ。

★ちょこっとRPG2 「地下迷宮」 / DL : 50,000~
★ちょこっとRPG3 「賢者の宮殿」 / DL : 50,000~
5万越えです。ギニューと対峙した時の悟空の戦闘力が90,000ですね。 このクラスになると宇宙でも有数の戦士のハズ…。 地球以外でアプリがどうのこうのとしている惑星がいくつあるのか知りませんが…。 意外なのは、50,000~100,000クラスのアプリって少ないんですよね。 逆に100,000以上は多い印象。 ドラゴンボールの戦闘力もそんな感じです、意外と見つかる共通点。

★ひまつぶクエスト+ / DL : 100,000~
★インフレーションRPGクエスト / DL : 100,000~
10万から50万。このクラスは一言で言うならば「本気出していないフリーザ(第一形態)」ということになります。 まあ、ギニュー隊長(12,0000)も入るのですが、なかなか強力なパワーを持っているクラスです。 強豪たちの仲間入りだ!と、ふんぞり返ってもいいでしょう。 逆に言えばこれより上は相当に難しい…。個人開発ならこの辺が限界じゃないのかなあ。 それなりの収益が見込めるし、広告塔としても機能してくれるハズ。 宇宙制覇(アプリ開発専業)を夢見ても許されるレベルなのかもしれません。

★ぐんまのやぼう / DL : 500,000~
★ガイラルディア / DL : 500,000~
「わたしの戦闘力は530,000です」フリーザ談
50万から100万。このクラスは一言で言うならば「マジなフリーザ(第一形態)」ということになります。 ここからは修羅の世界。50万もあれば、貫禄が違います。 クリリンを殺されてキレッキレッになった悟飯も90万とかいってますが…。 だいたい一年ちょっと前にラディッツ相手にキレキレになったときは、1307だったのに驚異の成長率。 バズってますね。 こういうZ戦士の急激な成長とアプリのDL数増加曲線というのは、やはり類似性があります。 y = ax^2 的な急激に伸びていくアレです。 一方で人気アプリになりきれない残念アプリの成長は、台車を乗せるスロープみたいなゆる~い右肩上がりの直線となります。

★モンスターストライク / DL : 1,000,000~
100万から500万。 フリーザ第二形態が106-132万、まあこれは続編(Ⅱ)ということでしょう。 ネイルと同化したピッコロが144万、まあこれは大型合併ということでしょう。 フリーザ第三形態が200万、まあこれは続続編(Ⅲ)ということでしょう。 クリリンにわざと深手を負わされて強化されたベジータが240万、まあこれは自作自演・ステマ…の類でしょうか。 復活した悟空が300万、まあこれは知らん! 最終形態のまだ本気だしていないフリーザが310万。 俺はまだ本気だしてないだけ;;;…。 フリーザさんも巨大なボディーから小型ボディーへと戻り、それが逆に不気味さを演出している。 Ⅱ、Ⅲのときはいかにもな大型で50MBの大容量アプリだったのでしょうが、ずいぶんスマートになりまして スピードが速い。 モンスターストライクは開発元であるMixiの株価を上げてしまうほどの効果。 このクラスでアプリ内課金であれば、経済新聞に載るような事象を起こすことも可能、影響力は大きい。 惑星は破壊できないが、中小企業なら破壊できるんじゃないでしょうか?

★TETRIS(R) / DL : 5,000,000~
500万から1000万。 最終形態の少し本気だしたフリーザが650万。 もう個人や2~3人の小集団では指一本で逆立ちしないと切りこめない世界 (漫画の世界ならやってくれるかもしれないが)。 相当綿密かつ大胆かつアグレッシブにプロモーションを行わないと到達できない世界。 超ごっつい壁に覆われている帯域。 テトリスが堂々の入賞。 ワールドワイドでメジャーなゲームというのは強い。 このクラスともなると、ほとんど洋ゲーの独壇場となる。 まあ洋ゲーというか、ワールドカップみたいに世界全体での勝負ですからね、当然ですけども。 ちなみに、Google さんの大本営発表によるとアンドロイドの月間アクティブユーザーが10億いきましたってね。

★LINE クッキーラン / DL : 10,000,000~
★パズル&ドラゴンズ / DL : 10,000,000~
1000万から5000万。 悟空が本気出して戦闘力3000万。 圧倒的な組織力を背景に、圧倒的な数のプレスをかけないとたどり着けないエルドラド。 クッキーランの LINE は巨大な地盤があるから、ユーザーを取り込みやすいという強みを持っている。それを最大限に活かした結果か…! パズドラは公証の戦闘力が2800万となっている。アンドロイド単独なのか iphone を含めての数字なのかは分からないが、 恐ろしい普及率。 (通勤中などに)赤の他人がプレイしているのを日常的に見かけるレベルである(社会現象とか言われだす、間違いなく)。

★クラッシュ・オブ・クラン(Clash of Clans) / DL : 100,000,000~
★キャンディークラッシュ / DL : 100,000,000~
★Angry Birds / DL : 100,000,000~
5000万~。 悟空がもっと本気出して5300万。 「わたしの戦闘力は530,000です(キリッ)」から驚異の100倍。 なんでしょうか、このインフレ具合は。 そして「元気玉」9500万。みんな少しずつ課金されて大収穫なことでしょう。 子供のころ、よく言ったものです。 「日本のみんなから1円ずつもらえば1億円稼げるYO!!!」。 さすがに1円を渋るケチはなかなかいないから、問題は集金システムなんでしょうけどね…。 ちなみにスーパーサイヤ人になった悟空は 1億5000万です。すごすぎ。 対する体をゴリゴリマッチョに変化させたフリーザさんは1億4000万です。 少し真面目な話をするなら1億以上のダウンロード(android単独であってiPhoneはもちろん無しでよ) を達成している化け物アングリーバード。 特徴としては英語ベースでありながら、文字がまったく読めなくてもプレイできるゲームである点。グレート!!!! こういうの、ローカライズっていうらしいっすね。

いかがだったでしょうか? アングリーバードなんかが、とんでもない化け物だってことがよくわかります。 1,000とか5,000とか張り合っていたのが、気がつけば億…。 なんという膨張率、我々の開発したブツもこれくらい膨れ上がってくれれば嬉しいですね。
「みんなオラに元気を分けてくれ」
大昔にレッドリボン軍を壊滅した悟空を憎む天才ドクターゲロ。 彼が(開発したコンピューターが)20年かけて完成させた悪魔の人造人間セル。 ドラゴンボールの作中では、フリーザさんが死んだあとに生まれたトランクス。 彼が10代後半くらいになった未来が悲惨なことになっています。 未来っていう字はかっこいいっすね。 「未だ来ぬ」みたいな感じで。 最後は、未来からの使者セルが第2形態になる直前に戦った人造人間16号(3億8800万)の絵図で終わりたいと思います。 Android(アンドロイド)だけに。

2014年6月2日月曜日

ひまつぶクエスト+ なぜ強い?

Ⅱと付かなくても続編なんだぜ

ドラクエでもダイハードでもハリーポッターでも海物語でも牙狼でもなんでもいいんだけど、続きもの、シリーズものというやつは 観客動員が安定的に見込めます。 そんなことは、いまさら言われんでも分かっている! なめんなよ、ファッ○、と思われるかもしれませんが、 じゃあ GooglePlay の場合はどうでしょうか?

継続して1年以上の期間、モリモリとダウンロード数を稼ぐような”売れ筋”アプリには定番のサクセスストーリーがあります。 簡単に説明すると、新着で売れる→全体順位で売れる、狭いジャンル(アクション)で売れる→全体(ゲーム)で売れる。 という流れです。 逆に新着で中途半端なランキングのまま1カ月を経過してしまうと、新着欄から消されるは、 先輩や古株たちに上位を占められるわで全く日の目を見ません。 一応500位まで表示されますが、200位より下なんて深海みたいなものです、ほぼ誰もやってこないと思って間違いない。 Google で検索するときに、ほとんどの場合1ページ目、たまに2~3ページ目くらいまでしか見ないでしょ? AKBもメディア露出が多い (総選挙で1~10位になるような)人しか知らんでしょ? 下位に甘んじれば日の目を見ない、厳しい世界。 じゃあどうやれば新着の時にランキングをアップすることができるのか? そこのところと続編、二世ってやつがどう関係しているのか? それを考察するにはランキングのロジックを説明せねばなりません。

順位を左右するのに最も分かりやすい尺となるのが、ダウンロード(インストール)数です。 10DLのアプリよりも1,000DLのアプリの方が順位は高くなります。 しかしそれだけで全てが決まるのではなく、より複合的な評価体系となっています。 つまり、単純なダウンロード数だけで考えるのではなく、 アクティブ率(アンインストールする人が多いほど低くなる)が高水準であるかどうか? の方が重要となります。 例えば 0/10 なら、10人ダウロードしたけど全員アンインストールしてアクティブ率0%ってことです。

続編ものの場合、初期ユーザーの大半は前作経験者であると思われます。 ほとんど説明しなくても分かってくれるし、そもそもどういうモノか知った上でのダウンロードとなります。 話は変わりますが、缶ジュースバージョンの液体カロリーメイトをご存じでしょうか? 私が知る限り これほど好き嫌いの別れる飲み物はありません。 嫌いな人は一滴たりとも飲みたがりません。 私は豆乳に近い味だと思うのですが、もっとクセがあるということなのか…。 なので、(部活などで)支給されたブツをよく横流ししてもらっていました。 私は好きですよ、スーパーでわざわざカネを出して買ったこともあるし。 ここで考えて欲しいのが
☆味を知った上で液カロリーを買う人
★味を知らずに液カロリーを買う人
がいた場合、前者(☆)は予想した通りの飲み口に満足するだけですが、 後者(★)は「なんじゃあ、こりゃアアア!」となることでしょう(もちろん、気にいる可能性だってあるんですが…)。

「なんじゃあ、こりゃアアア!」の人は二度と買わないでしょう。 それどころか、飲みかけのソレを捨ててしまう勢いでしょうよ(我慢してまで飲もうとは思わない、リアルで何人も見てきたからわかる)。 これがアプリだったら、即アンインストールだって話ですよ。 即アンインストールが多いと、アクティブ率が下がります。 見かけのダウンロード数が多い割に、順位が低いアプリはこういった可能性が考えられます (別に★1~2が多いからといって新着欄での掲載位置が悪くなるということはない!ハズ)。

つまり、質の悪いダウンロード100よりも 質の良いダウンロード10の方が得なんじゃね? っていう話です。 質の良いダウンロードとはアンインストールしない人たちのDLです。 最悪、最終的にアンインストールするかもしれませんがそれなりにプレイしてからアンインストールするようなDLです。 私もスライっていうパズルゲーム(面数が膨大で数百ある)をほぼ全面クリアしかけた頃に、ちょっと面倒な場面になり 「なんかすげぇ時間の無駄だったな」と思って衝動的にアンインストールしたことがありますが、 こういう遊ぶだけ遊んでからアンインストールっていうのは実績に入るはずです。 実績というのはユーザーたちの累積・総プレイ時間みたいな概念ですね。

スタミナ・システムがやめられない、もう一つの理由

続編ものの場合、初期ユーザーの大半は前作経験者であると思われます。 と先に書きましたが、このことがアプリ公開序盤のスタートダッシュにおいて 高いアクティブ率を維持する原動力になると推察できます。 アクティブ率が高ければ機械的判断で「優良アプリ」だとスコアリングされるので、 掲載位置はどんどん上の方になっていくことでしょう。 もちろん、続編と言っても前作と完全に一緒なわけないですから、 「前作は好きだったけどコレはいかんなあ…」という感想を持つユーザーもいることでしょう。 しかし、大筋では”液カロリーメイトの味を分かったうえで液カロリーメイトを飲む人が文句を言うはずがない!” と考えるべきでしょう。 そりゃあ強いって続編は。 ひやかしみたいなユーザーの割合が少ないんだから。 そりゃもちろん、掲載位置が上位になればなるほど前作を知らない人たちもダウンロードするでしょうが、 既に「ベターなポジション(上の方の掲載位置)を得る」という目的を達成した後!!! そこから多少アクティブ率が落ちたって、痛くもねえやってなものです。

続編もの以外に、アクティブ率を高くする工夫は無いのか? そりゃシンプルに考えれば 「良質なものを作れば愛される」という不文律があるのは間違いないのですが…。 だけど、クオリティはあくまでも要素の一つでしかありません。
Q * M * P = A
みたいな掛け算を思い描いてください。Q(品質)だけが特別高いが、M(方法)とP(宣伝)が低い…となれば、 Q・M・P が全てほどほどであるパターンに負ける、大差で負けるということが考えられます。

ここで考えるのは方法論です。 P=プロモーションは「できあがったものをどう拡販するか」という概念ですが、 M=メソッドは「勝ち残りやすい仕組みを企画段階でどう取り入れるか」ということです。 続編を作るというのはそういうこと(M=メソッドということ)です。 じゃあ、しつこいけど続編もの以外に、アクティブ率を高くする工夫は無いのか?

そのヒントは放置ゲームにあるような気がします。 放置ゲームなんだから、「ダウンロードして速効でアンインストール」ってことにはなりにくいと思いませんか? そりゃあ、とりあえず放置するでしょ。 放置とは現状維持だから、NOT アンイストールってことですよ。 結果的に1~2週間後にアンインストするとしても、その1~2週間の延命が重要。 新着という戦場は1カ月の短期決戦です。 1~2週間の延命であっても、その間のアクティブ率が上がるのであれば制作者にとっては恩の字、恩の字、です。

同様の理屈でスタミナ制もいい線いっていると思います。 「課金させるためにスタミナ制なんでしょ」と考えるのは早計。 スタミナは(おカネ使わなくても)時間経過で回復します。 時間経過する間、何をするでしょうか? 何もしない。何もしない_?
えっ、それって、つまり…
つまり…

放置! ということ。放置がアクティブ率向上に効果があるのは今、述べた通り。 ソーシャルゲームじゃなくても、課金要素がないゲームであったとしてもスタミナ制の導入には価値がある。 そのことを、賢い人はとっくの昔に気づいていた…。

じゃあ売れているゲームの正体ってやつは?

結論から書きます。 「強い馬が勝つんじゃない、勝った馬が強いんだ」という理屈に近いところです。 「面白いゲームが人気なんじゃない、人気なゲームが面白いんだ」では、意味が通じないのでもう少し現実的に考えて 「つまらないゲームが淘汰されて面白いゲームが生き残るんじゃない、淘汰されない仕組みを持ったゲームが生き残るんだ」…?

淘汰されない仕組みとは?
・わかりやすい、単純 or 続編ものである
・放置すると得するシステム
・コンプリート要素などの時間稼ぎ
・運営側の仕掛け(マメな更新や新イベントなど)
・ユーザー通しで競い合う雰囲気
まあ結局ソーシャルゲームになるんですけどね…。ただ、ドリランドやパズドラみたいなソーシャルゲーム的な構造ではなくても 上記項目をクリアしていれば売れます。 無料アプリの場合は大勢のユーザーに日々遊んでもらって広告収入があが~る、ということです。

前段で Q * M * P = A
と書きましたが、100点x100点x100点で年間 1,000,000ダウンロードみたいな話ですよ。 で、まあ Q・M・P のそれぞれを高めればダウンロード数は稼げるはずなんですが、これが厄介。 最難関である Q(クオリティー)を100点にするのはどうしたって無理です。 P(プロモーション)を100点にするためには莫大なカネが必要となるでしょう、現実的に無理です。 しかし、M(メソッド)を100点にすることは、できないこともないでしょう。 なぜならメソッドは構造的な部分を上手に模倣すれば、売れているアプリと同じレベルに(あなたのアプリを)引き上げることが可能だからです。