2016年8月31日水曜日

成長要素のないゲーム

成長要素はもはや、RPGの特権ではなく、ソシャゲの収益体系にゴッソリ持っていかれた感があります。 猫も杓子も成長・成長・成長…。レベルアップ、スキル、合成、レア武器、レアカード…、やり方はいろいろあるにせよ、まあ成長ですよ全ては。

バブル崩壊…その後に…

バブル崩壊は1991~1993年と言われています。 長期金利は1990年には、なんと 8% もありました。 それが1997年には 2% を下回り、あとは皆さんご存知のデフレ社会ですよ。 バブルのイケイケ感は、なかなか数字を見たって分かりにくいんですが、福本伸行氏の漫画「銀と金」で以下のように語られており、これが私的には一番 しっくりきます。

土地がドンドン値上がりするんだから、借金をしてでも土地を買い漁った奴が得をするのさ。 何せ、借金の金利よりも土地の値上がりの方がすごいんだから。 絶対に損をしない安パイの博打だぜ。

まあ、引き際を見誤った人は損をしたわけですが、ですが、戦後の経済成長は1990年まで続いたわけですから…。 売買ゲームの時間は決して短くなかったと思います。 今は中国の経済がすごいことになっていますが、日本のように20年も30年も長いことハジけられるでしょうか? 来年ってわけじゃないが、そんなには 長くないだろう…。って、みんな思っているんじゃないでしょうか。 日本はフィーバータイムが長かったんですね。そりゃあ感覚も麻痺する。 だけども、いずれ経済成長とバイバイしなければならない不文律を、倍々ゲームに興じるギャンブラーたちがうっかり見落としたに過ぎません。

ファミコンは1983年発売です。 スーパーマリオブラザーズは1985年、ドラゴンクエストは1986年発売です。 ゲーム機のミリオンヒットというものは非常に多いのですが、 バブルが弾けたその前後となる、1990~1995年の作品を見てみましょう。

1990年:
スーパーマリオワールド(SFC)、Dr.マリオ(FC/GB)、ドラクエ4(FC)、FF3(FC)
1991年:
FF4(SFC)、ソニック・ザ・ヘッジホッグ(MD)、ゼルダの伝説 神々のトライフォース(SFC)
1992年:
スーパーマリオカート(SFC)、ストリートファイター2(SFC)、ドラクエ5(SFC)、スーパーマリオランド2(GB)、FF5(SFC)、星のカービィ(GB)
1993年:
スーパーマリオコレクション(SFC)、ストリートファイター2ターボ(SFC)、すーぱーぷよぷよ(SFC)、聖剣伝説2(SFC)、ドラゴンボールZ 超武闘伝(SFC)、 カービィのピンボール(GB)、ロマンシング サ・ガ2(SFC)
1994年:
スーパードンキーコング(SFC)、FF6(SFC)、スーパーマリオランド3 ワリオランド(GB)、スーパーストリートファイター2(SFC)、スーパー桃太郎電鉄3(SFC)
1995年:
ドラクエ6(SFC)、スーパードンキーコング2(SFC)、クロノ・トリガー(SFC)、スーパーマリオ ヨッシーアイランド(SFC)、星のカービィ2(GB)、 ロマンシング サ・ガ3(SFC)、バーチャファイター2(SS)、ダービースタリオン3(SFC)、アークザラッド(PS)、スーパードンキーコングGB(GB)

なんか同じメンツが数字だけ変えたり、スーパー付けたりだったり、タイトルを並べただけだと面白いものではありません。 もちろん中身は中身です。売れたことがクオリティの証明でもあります。 で、バブル弾ける前後。中核はスーパーファミコンですが、ゲームボーイもなかなか息が長いですね。 ジャンル的にはアクションゲームが多いような気がします。 マリオだとかスト2だとか、プレイヤーの腕次第なゲームがまだまだ多いかなという感じです。 しかし、1995年。いつもドラゴンクエストとファイナルファンタジーしか名前の挙がらなかった RPG ですが、この年は クロノ・トリガー、ロマンシング サ・ガ3、アークザラッド、と新顔も多くなっています。 あと、ダービースタリオンも競走馬を育てるゲームですから RPG ライクなところはありますね。

異変は1996年。やつの登場によります。
ポケットモンスター 赤・緑(GB)、マリオカート64(64)、スーパーマリオ64(64)、スーパードンキーコング3(SFC)、パラッパラッパー(PS)、 スーパーマリオRPG(SFC)、ドラゴンクエスト3 そして伝説へ… SFC版(SFC)、鉄拳2(PS)、バイオハザード(PS)、ダービースタリオン96(SFC)、 星のカービィ スーパーデラックス(SFC)、アークザラッド2(SFC)

要は1996年のポケモンが超売れたっていうわけですけども。 ただ、1995年DQ6、1996年ポケモン、1997年FF7、1998年ポケモン、1999年ポケモン(次点でFF8)、2000年DQ7…という具合に 一番売れるソフトは RPG だね! という風潮ができつつあります。

長ったらしいこと世の移り変わりを書きましたが、私の仮説はこうです。 「日本が成長しなくなった頃合いで、成長要素のあるゲームが流行しだした」

銀行に預金をしても、ろくに増えやしない時代。 消費税アップ以外のタイミングで値上げをすると、やたら叩かれる時代。 昔はあれでしょ、食堂のうどんが10円だったのが、気が付いたら100円になっていた…、とか、どんどん物価が上がっていく社会。 物価が上がる前提だから、給料も上がるし、銀行金利は高めだし、地価もグイグイ上がっていく…。 最近ではタバコがもの凄い勢いで値上がりしていますが、高度経済成長期っていうのは、タバコの値上がりみたいなノリで 米も肉も給料も上がったわけですよね。 すごいノリノリですよ。 イケイケ感が半端ないっすよ。 そういう社会情勢だと、娯楽の世界に成長要素は求められない気がします。 逆に経済成長が止まったとき、ゲームの世界で成長要素が流行りだしました。 人間はやはり、時間とともに右肩上がりになる成長曲線(グラフ)が好きなんでしょうね。 何かが時間とともに順調に伸びるということは、何事にも代えがたい安心感を与えてくれるのでしょう。 この心理的バイアスを「数字育成欲求」と仮称します。

ソシャゲ・マンネリ…その後に…

「空白の10年」は「空白の20年」と呼び変えられ、日本人は疲弊していた。 成長しない世の中にあっては、経済成長を無事に遂げられる元気な企業組織に身を置くことも難しい。 肉体や精神の成長も20代ともなれば、もはや望むべきでもないと誰もが知る(いや、精神は成長するのかもしれないけどね…)。 オレも伸びない、会社も伸びない、国も伸びない…。えっ、四面楚歌じゃんか! このような閉塞的な社会において、「数字育成欲求」は膨らむばかりである。 そんな社会的背景を付いて、見事な集金システムを構築するに至ったソシャゲ業界。 カネと時間を注ぎこめば、右肩上がりの成長曲線を得ることができる。 しかも、ネットワークに接続しているから下郎たちに私の成長ぶりを見せつけることができる。 なんということでしょう。ワクワクが止まりません。

いや…。

わかる。

わかるけど…。

もう、やめにしないか。そりゃあ、不安なのはわかる。8% の金利が付くのなら、通帳見てニヤニヤしていればいいもんね。 それが、ぜんぜん銀行に預けたって増えなくなったものだから、投資信託だのNISAだのっていう小技を使ってニヤニヤしようやんか!っていう世の中ですよ。 確かに今の時代、8% の金利が付いて、通帳見てニヤニヤ…っていう種類の幸せは無いかもしれない。 でも幸せは色々なタイプがあるじゃないですか。 もっと、それを考えよう。 万全を尽くしても不安になる奴はなりますよ。 逆に不安要素だらけでも、何とかやっていける奴もいます。 なぜなら、不安も安心も、要は心の在り様でしかないのだから。

ガラケーで鎖国していたこの国も、アップルやグーグルといった列強によって開国を余儀なくされました。 世はまさにスマホゲーの時代。 売り切り販売の従来型と違って、課金で継続的にお金を搾り取るのが現代のやり方。 課金なしの無料広告型のゲームにしたって、長く遊んでもらわないと収益になりません。 とにかく、終わらない、ネバーエンディングストーリー、別名「無間地獄」の始まりです。 まあ高度経済成長期の「物価」と「給料」の関係みたいなものです。 敵はだんだん強くなっていくけど、キャラクターもだんだん強くなっていくから大丈夫。 ジャンプの漫画でよくある、○○を倒す、もっと強いやつがでてくる、前回の敵を味方に付けて立ち向かう。 と、いうループを延々、延々やり続けるわけです。 バブルが崩壊するみたいに、終わりの日がないわけじゃないのですが、その時が来るまで運営は運営し続けるのです。

「成長はありません、終わりはあります」というゲーム企画を提出したら、上司に 「どうやって費用回収するの? バカかね」と、言われることでしょう。 つまり、ここに企業の限界があります。 費用を回収する仕組みをゲームの根本に仕込まざるを得ないわけで、どうしたって似たようなゲームシステムになりがちです。 個人開発のゲームにしたって、最初っからレベル上げみたいなことを、延々やらせ続けるゲームデザインのものもあります。 いや、私も通った道ですが、 少ないボリュームでプレイ時間を長くさせようと考えたら、レベル上げをだらだらさせるのが一番なんです。

だから、今回の新作「ダンジョジョの一本道」には成長要素が無いんだ。 キャラが18人いて、(競艇の3連単と同じく)120通りの組み合わせでパーティーを作ることができる。 この試行錯誤こそが、繰り返し要素となる。 この手のゲームの宿命として、「○○ステージはXYZの組み合わせがベストよ」という情報が出回ったら難易度は低下してしまう。 ネットを見ることで答えを探す過程をカットすることができる。 だけど、それでいいと思うんです。 誰かが考えた答えで攻めるのならソレもよし、あくまで自分で考え抜きたいのらソレもよし。 「えっ、○○は使いたくないな。あいつ嫌いなんだよな」みたいなところもありますからね。 各自、ご自分がご納得するように、自由にやっていただくのが一番です。 ユーザーをがんじがらめにするのではなく、もっと寛容でなくてはならない。 そんな気がするんですね。

2016年8月28日日曜日

オマエはもう、読んでいる

今回のアプリ「ダンジョジョの一本道(仮)」(Dun Jojo's a straight road)では極力「テキストを排除」するように工夫しています。 文字を排除というと大げさですし、実際のところはそれなりに文字が表示されるのですが…ユーザーどもは

流し読みどころか、ぜ~んぜん読みやしない

と、いうことを知っております。 書籍やブログのように、文字を読むことが当然のメディアであれば、文字を読みます。
読めないから、…ではなく、読まないから読まないのです。
人間は興味のないものは認識しないように、無意識にコントロールしているのです。

極端に短い文字であれば、「読むまでもなく見る」ことで人は内容を頭に入れてしまうハズです。 その境目が何文字なのかは詮索しませんが、仮にカタカナで6文字程度としましょう。
リオ <<< 見る
トーキョー <<< 見る
ブエノスアイレス <<< 読む
バンダルスリブガワン <<< 読む
と、いう感じでしょうかねえ。

とりあえず大きくて短い言葉であるならば、「読むまでもなく見る」ことで、内容を頭に入れます。

上の絵なら、50%オフだと嫌でも認識してしまうでしょう。 短くて…、大きくて…、見慣れた…言葉であるならばユーザーに向けて「刺すように読ます」ことができます。 無視するにはあまりにも存在感が大きいからです。

小さ目な文字で、「ただし、10,000円以上お買い上げの場合に限ります」という注意書きが憎たらしいですねえ。 憎たらしいですが、文字の大きさをハッキリさせることで「何を主張したいのか?」がハッキリします。 むしろ、読んでくれなくてもいいような内容は、小さく小さく書くことで存在感を消します。 逆に「声を大にして言いたい」ことは「文字を大にして書き込む」だけのことです。 しかし、ゲーム画面にこれほど大きな文字を押し込めるでしょうか? たかだか「50%オフセール」を告知するために画面の半分を使う。 こんな燃費の悪い使い方は、タイトル画面でもなければできやしないでしょう。

いくら何でも…、もう少し詰め込みたい。 「竜王の城が南にあるんだけど、河が邪魔して近づけないんだ。 急がば回れですよ先輩」くらいの内容は告知してみたい。 その結果がですよ…。

もう読んでくれません。全ての文字の大きさが均一で焦点がぼやけてしまったので、「50%オフセール」すら伝えれないかも…。 むしろ、10,000円以上買わないとダメだよっ、ていうネガティブ情報が前に出てきたような…。 全てを平等に扱うことによって全てが目立たなくなってしまった。

文字をどうやって読んでもらうか? どうやって画面上に表示させるか? どんな風に情報を分かりやすく編集するか? この あたりは、かの有名な DQ1 の頃から知恵とセンス溢れる偉人によって研究されてきました。文字情報でストレス過多とならないように…。

「ダンジョジョの一本道(仮)」では、見た目で表現することを目指しています。 アニメーションや記号、ゲージ、効果音などによって何が起こっているのかユーザーに認識してもらうことを目標としています。

モヘンジョダロとラスコー

パキスタンに現地の人々が「死の丘」と呼び恐れる、日本でいうところの古墳のようなものがあります。 嘘か本当か、砂を超高温で固化させてガラス状にしたような物質が散らばっているエリアがある。 まるで核兵器の演習場跡地で見られる光景のようです。 遥か古代に…、現人類の体系とは異なる超文明があったのだ! と、いう噂の噂…。 マハーバーラタに記されるインドラの矢説…ン?、宇宙からの降臨…彗星が落下した説…これは現実的ね、…。 モヘンジョダロと呼ばれる遺跡のあるエリアは、あくまで「死の丘」を現地の言葉で読んでいるにすぎません。 遺跡に掘られた文字が解読できないため、古代都市の本当の名前がわからないのです。 都市の文化水準は高く、下水道や公衆浴場などの施設が見受けられたようです。 どうやら洪水によって衰退していった模様です。 つまり、この地には洪水やら天からの矢(核にせよ彗星にせよ)といった、凶悪災害が別々に襲ってきた過去があるわけですね。 受難の末、インダス文明は滅び、インダス文字の解読は難航しています。

一方でラスコーの壁画があります。 15,000年前に描かれたと言われています。 馬や鹿が遠近法を用いて描かれています。 モヘンジョダロの遺跡に描かれた文字が、現代人には解読不能な「?」であるのに対して、 フランスのクロマニョン人が描いた絵は、「馬だね、鹿だね」と現代人に解読されています。 もちろん、ラスコーの石器時代人は風呂に入ったりしなかったでしょう。 モヘンジョダロの方がずっと高度な文化です。 だけど、伝わらない。 文字の便利さと文字の不遇さを、とても考えてしまうわけですね。

私も文字を書くこと自体は好きですし、その証拠にこの細々更新ブログは一話が妙に長い。 だけど、これは結局、日本語が読める人だけを対象にしているわけですね。 アプリの場合は英語圏、いやそれ以上を目指したいわけです。 なので文字情報は、読めなくてもいいよ、という前提で作っています。 一応、JAPANESE / ENGLISH の二か国語対応アプリなんですが、開発中のかなり大部分を ENGLISH ヴァージョンのままデバッグしていました。 流し読みどころか、ぜ~んぜん読んでませんよ。 そういう作成方法によって、言語で説明しない、いわば理想的なローカライズを構築しようと試みたわけです。

2016年8月14日日曜日

多様性ゆえの混沌~発見!バグランド

Android でゲーム作ろうと思ったら本当に泣けますよ。 いくらプログラムがバグっていなくても、微妙な差ってやつが機種毎に存在するから。 しかも今回の話は非常に興味深いことに、新しくて高性能なものがダメだっていう逆転現象を示していますから。

エントリーするのは以下の4選手です。
Galaxy Nexus (エミュレーター=ヴァーチャルデバイス API 23 / Android 6.0)
LGE Nexus 5X  (実機 API 23 / Android 6.0)
SHARP SH-02H  (実機 API 22 / Android 5.1.1)
SONY SO-02F  (実機 API 19 / Android 4.4.2)
エミュレーターっていうのは Eclipse とか Android Studio が再現する疑似マシーンですな。 Windows のパソコン上でアンドロイドの世界をシミュレートするわけです。 こういう回りくどいことをするとマシーンにかかる負荷が高いので、速度なんかは遅くなります。 しかし、パソコンさんの CPU(Core i5-6300U / RAM 8GB)がスマホの CPU より遥かに高性能であることを考えると、この勝負、まだまだわかりませんよ。

じゃあ何で勝負するかっていうと、私が開発中のゲーム「ダンジョジョの奇妙な探検」を実行したときの FPS です。 と、いっても 1秒10コマくらいに制御しているので劇おそなんですが…。 最初に断っておくと、四天王の中で最弱であるエクスペリア(単に古いバージョンだからですよ、中傷じゃなくて)さんですら、 スペック的には簡単にクリア。 1秒20コマでも楽勝でした。 じゃあ、1秒10コマであるなら、シャープさんもLGさんもヴァーチャルデバイスさんも余裕、余裕。 「朝飯前」どころか「新聞配達前」だバカ野郎! と、思うでしょ? しかし、そういった思い込みは思い込みにしか過ぎないのです。 我々は分かっているつもりで、分かっていないことだらけです。 実際にやってみることで意外な発見が意外とあるものです。

まずは標準記録のヴァーチャルデバイス選手から見ていきましょう。 8~9といったところですね。 写真(スクリーンショット)はごちゃごちゃしてますが、水色の四角で囲っている部分に描画速度を表示 しているわけです。 そこ以外は見るべき点はありません。

次に、LGE ネクサス5X選手。ネクサス選手はグーグルさんが標準機として提供するものですから、こういったリファレンス機でまともに動けば 設計者はドヤ顔できます。 実際には「動かへんのやったら、そのスマホのクセが悪いねん」と、UNKOユーザーに言えないのが客商売の辛さですが…。 で、ネクサス選手も7~9といったところですね、大差はありません。

次、シャープのアクオス選手。 問題児っぽいイメージが定着したシャープですが、携帯に写メ付けたのはこの方が元祖です。 目の付け所がシャープです。 スマホの製造販売も頑張っていて、2016年春モデル=コンパクト部門の中では地味に最優秀であると思います、個人的には。 最大の特徴は薄いボディーとプラスチックな素材から生まれる体感的な軽さです(マシンの性能ちゃうんかい…)。 まあ正直なところ、しばらく使ってみた実感として悪いマシーンではないと思います。 しかし、どうしたことでしょうか? 、5~8とステージによってはかなり悪いスコアを記録しています 。 実際、4とか5になると処理落ちを嫌でも体感できるので「動き悪いな、こりゃ」と思うユーザーが大半でしょう。超マイナスイメージです。

最後にエクスペリア選手(SO-02F)。 国産アンドロイドの旗手、SONYさんのチョイ古モデルですね、2013~2014年発売くらいですね。 早い、早いぞ。10~11、他の追随を許しません。 11なんて数字は瞬間的であっても、他の方々はマークできません。 奴は四天王の中で最弱どころか圧倒的に最強・最速です。

茶番を読むのもしんどいと思いますので、先に答えを書きますが、 「背景を合成している場合、アクオス選手だと遅くなります」。 背景の合成って言っても、床部分と壁部分が別々にあるものを重ね描きしているだけです。 ただ、大きめサイズの画像であるということ、透過部分の面積が大きいこと、これがパフォーマンスの低下に影響していると思われます。 なぜなら、アクオス選手でも背景が一枚もののステージだと遅くならないからです(それでもエクスペリアより若干遅いんだけどね)。 上の画像は透過部分(alpha)の割合が非常に高いですよね。これが、描画の際に負担になっているのです。

この透過部分が多い画像をやめて、透過部分ナシの一枚絵に変更したところ、アクオスさんもスピードアップしました。 背景に限らず、モンスターのグラフィックにも透過が使われています(サイズが小さいので影響も小さいが…)。 アクオス選手の場合、この透過部分の処理が目立って苦手なようですね。 こういったメーカーのクセ、機種固有のクセっていうのがあるんです。 しかも、アンドロイドがバージョンアップしてキットカット(K)、ロリポップ(L)、マシュマロ(M)…と進化するたびに状況は変わります。 正確にはバージョンアップに対応したマシンが各メーカーから発売されることによって、クセの勢力図が一変します。 ネクサスと売れ線の機種(Sumsung の Galaxy とか)でデバッグして、その他大勢には目をつぶる…、 あるいはプログラム的に極力複雑なことをしないでクセによるばらつきを吸収するようなデザインを目指す。 個人製作なら好きなようにやればいいでしょう。 ただし、UNKOユーザーから「動かないから星1個」とレビューされる危険性は付きまといます。すげーストレス。

ここまで読まれた方は「じゃあ何かい? アンドロイドは 4.X 時代の方が今より高性能だったとでも言いたいのかい? 」と思うことでしょう。 しかし、そう云うことではないんです。 描画機能も含めて性能は後発の 5.X 6.X の方が高いことは間違いありません。 で、そういう最新のバージョンで推奨されるプログラミング技術というものがありますが、私のように5年遅れて Surfacce View を使い始めるような 旧人類もいるわけです。 旧人類の書いた旧コードを最新のマシーンで実行すると、何かがかみ合わずにチグハグ…。結果、「逆に遅いよ」という出来事だって起こり得るんだと。 右のタイヤをインチアップしてスポーツ仕様に変えたのなら、左のタイヤも同様にせねばなりません。 右側をハードの新旧、左側をコードの新旧と考えれば、バランスって大事ですよね。 まあ多様性ゆえのカオスと言えましょう。 当然のことながら、iPhone のアプリ開発であればこんな面倒なことは起こらないはずです。

Surface View は Android で描画する方法の一つです。 マルチスレッドであり、走らせているプログラム本体とは独立して動きます。 と、いうことはですね…、毎秒10コマ表示したいところが毎秒5コマしか表示されなくても、 裏では同じようにメインプログラムが動いているわけです。 なので、例えば4秒間である値が0から1,000まで育つとしますと、 毎秒10コマだろうが毎秒5コマだろうが4秒間で1,000に達するのです。 ただし、見かけ上では前者が数字を 25,50,75,100… と刻んでいくのに対して後者だと 50,100,150,200… と刻んでいきます。 例えばシューティングゲームで敵いっぱい出てきて画面が遅くなった、という場合は実際に弾が画面の端から端まで到達する時間も遅くなる ことでしょう。 ある意味スローモーションモードなので難易度が優しくなります。 これとは違って、画面表示がモッサリでも弾が画面の端から端まで到達する時間は変わらない、ということです、Surface View ってやつは。

2016年8月3日水曜日

鉄は熱いうちに打て! 冷めたハートじゃ作れやしない

ようやく18人の勇士の姿絵が完成しました。 ここまで手こずるとは思わなかった。 だって、このブログを参照したら…最初の6人は去年の11月に完成してますものね。 そう、最初の6人+1人までは早かった。 本来ならあの勢いのまま、去年中に18人全部完成させておくべきだったのだ。

キャラ絵だけをやって完全にフリーズしていたわけではありませんが、 あんまりにも進まないから、「液タブにペンで描いたら早いんじゃねえの?」と、思って Surface Pro4 を購入しましたが、 いまだにペンはぜんぜん使ってません。 相変わらずマウスで絵を描いています。 今まで長年かけて培ってきた我流のタッチを崩したくない。という想いが、急に溢れてきたからでもあります。 単に新しい文化に馴染むのが面倒だと思ったからでもあります。 世間の皆さんは道具だとか環境だとか言いすぎなんですよね。 大事なのはやる気・元気・根気です。あとの少しばかりが、便利かつクリエイティブに使える今風のグッズ。そういうことなのでしょう。

ただし、キャラのモチーフやゲームの構成をよくよく考える必要があり、 ポジション入れ替えなどが後ほど発生しています。 確かに最初の数人っていうのは、まだ構成を詰めていない段階で 「べつに変更があってのも大丈夫」という安心感のもとに作れるという利点はありました。 後半になると、いろいろハッキリさせなくてはならないし、キャラがかぶらないように 気を付けなければならない。 それでいて、統一感も保たなければならない。

最初の構成としては 勇者(男)、戦士(男)、魔法使い(女)だったのですが、 女勇者や女戦士もいたっていいんじゃないすか? でも、最初に6人の魔女作っちゃったしどうすんのよ? などなど 無計画に進めてきたツケを支払う羽目に。 去年の11月の記事と今回を比べてみると、色属性を変更したうえで他のポジションに異動となった人がいることに気づくでしょう。

微妙なことを書きますが、どのキャラもネタ元があって大なり小なりパクッてます。 いや、先人のデザインをオマージュしています。 それは、服装のみであったり、ポーズのみであったり、武器の握り方だけであったり、全然別々のAとBの合体であったり、 もう言い出したらキリがないです。 しかしここで、顔面を私自身が手描きしているので、統一感をだすことに成功しています。 大事なのは顔面のトレースはしていないということです。 トレースはデジタルの場合、いとも簡単にできてしまいますが 実在の人物の写真にせよ、漫画やCGの架空のキャラであるにせよ、目で見てうつすレベルに抑えなくてはなりません。 目で見てうつす過程で、作画担当の個性(タッチ・筆致)がでます。 輪郭のクセとか目鼻立ちのクセとか、陰影の付け方の強弱などです。 そういった個性を出すために、模写でとどめておくべきなのです。 お経をコピー機でコピーすれば完璧な複写物ができますが、 手書きで写せば書き手の深層心理ですら表にでます。 文字の乱れは心の乱れ、でも、だからこそコピー機にはない面白みがあるのです。 漫画家の先生でもトレースをやっちまうと問題になるという、割と明確な線引きがあります。

ちなみにビートルは野生のカブトムシの写真を見て、そこから適当に擬人化して作りました。 完全な無から作り出すのはもはや不可能、とはいいません。 モンスターのデザインに関しては完全な無から、つまり写真などを一切見ないで、かつ 誰かがデザインしたものを意識しないで作ったパターンもあります。 モンスターの場合は極端に奇抜なデザインでも問題ないから、これでもいけます。 しかし、プレイヤーが使うキャラとなると、ある程度世間に認知されている原型があった方が親しみやすいはずです。 「筆のタッチ」という作者のアクが入らないリアルCG路線だと、今後この問題を避けられないでしょう。 見た目の精度を上げるほど既視感のある人物しか作れなくなります。

ボートレースからアイデアを得ているので1枠は白です。 で、2枠以降が黒・赤・青・黄・緑となるわけです。 昨今のゲームであれば、聖属性(白)、闇属性(黒)、火属性(赤)、水属性(青)、土属性(黄)、木属性(緑)などとすることでしょう。 しかし、そんなポケモンチックな属性は採用しておりません。 「あのボス、植物系だから火属性で攻めたらいいべ」的なことをやっても今更面白くもなんともないでしょうから。 作者があのボスは6-3-4あたりの組み合わせかなあ? 実際それしか勝てんしな。と、思っておいて実は3-2-1で勝てましたよ。うそぉ、本当に… 的な、想定されていない勝ち方がいっぱいある方が良きことかと思うのです。 (想定外の勝利は)作者にしてみれば抜け道のようなものであり、悪く考えれば管理が不徹底であるとも言えます。 しかし、戦に多様性があるのはとても大事なことでしょう。

属性は特性と読み替えて、このゲームでは次のような特徴を各色は持ちます。

白は優秀・無難といったイメージですね。特別尖った部分はないけれども、攻めてよし・守ってよし、みたいな 何でもこなせる系です。 初期バランスでは戦士のゴートがあまりにも強すぎたので、彼の武器を重くすることによって燃費が最悪という感じに変えました。 バランスを調整するうえで「奴は与えるダメージが大きすぎる」→「ダメージ量を減らそう」みたいに出る杭を打つ!な対処をすると、 つまらないバランスになってしまうと思います。 突出した部分はそのままに、それに関連した部分で落とし穴を作った方が切れている感じ(スリリングな感じ)が出てくると思うのです。

黒は耐久性能を重視しています。 しかし、「攻撃は最大の防御」とはよく言ったもので、敵をせん滅さえすれば我慢する必要はなくなるわけですから…。 高い火力を集結させて一気に叩く方が理にかなっているし、プレイヤーも気持ちがいいでしょう。 ジグロロも見た目は世紀末風で切れまくっていますが、防御を活用するしかないキャラです。 ガンダムで有名なスパイクシールドを武器盾兼用で二刀流装備してますからね、タフボーイでクレイジーですわ。

赤は悪魔族です。 設定ではエルフの召喚士ティエルコが、ゼリ王の要請に応じて魔界から3人を召還したことになっています。 悪魔たちにとって長期出張になるので、心臓を二分して半分を魔界に残しています。 なので、非常に打たれ弱く、ハッキリ言って貧弱です。 その代わり、攻撃力が高いので脆弱性をうまくカバーすることができれば強靭なパーティーとなるでしょう。 この明らかに人じゃない怪物みたいなのをメンバーに入れるのは「ダンジョンマスター」の影響を受けてのことでしょう。 スコーピオンのモデルは当然…。

青はエルフ族です。 人間ではありませんが、外見は人間と酷似しています。 ローティーを作った時点では、耳は尖り、肌は白っぽく、宗教的な理由で顔を青白く塗る、という設定を考えていたのですが…。 数か月空いてからレリオスとラベッロを作ったので、顔を青白く塗るのを忘れています。 でも、服と髪の毛が青っぽいからいいんです。 彼女たちはやられたら自動復活するチートアイテム「不屈の護符」を持っているのでゲームの攻略上、重要なポジションにいます。 この所持アイテムによってキャラの格付けが左右されるところも、「ダンジョンマスター」の影響を受けてのことでしょう。

黄はイエローモンキーな東洋人です。 それプラス、呪われたアイテムである仮面をしているので、消耗アイテムを装着できないというハンデを持ちます。 テン、シシ、ヒョウっていうのは哺乳類ネコ目の名前ですよね。 攻撃的なイメージを持ちますが、シシなどは物理最強の猛者となっています。 テンは元々、悪魔族のスパイダーとしてデザインされたのですが、諸事情があって角を抜かれて人間族となりました。 そのときの名残で髪は赤く、胸元に蜘蛛っぽい刺青がされています。

緑は亜人族です。 グルとアピが人間と外観が似ているのに対して、アンギンは完全にリザードマンです。 まあ、イグアナなんですけどね。 哺乳類でアンギンのモデルとなる動物を探したのですが、サバンナにいるアスリートたちはジャッカルだとかハイエナだとかガゼルだとか、いろいろいますが、 緑系(青系)のカラーリングが見事にいないんですよね。 一説には色盲で、青緑っぽいのは識別できないからとも言われています。 「アバター」の青い人型異星人が衝撃的なのも、地球の常識では青とか緑の哺乳類がいないからです、実は。 なので緑人間という制約がある以上、アンギンが爬虫類になるのはもう必然としかいいようのないレベル。 緑族は辺境の商人連合だという設定なので、みんな大量のアイテムを抱えています。

単純な能力値+装備武具の優劣+所持アイテムの兼ね合いで、総合的な使える係数が導き出されます。 装備品の付け替えはできませんが、所持アイテムは3人で兼用となるので、例えば悪魔族にエルフ族が持っている「不屈の護符」を装着させることが 可能です。 消耗品アイテム所持数は白が0個、黒が2個、赤が3個、青が4個(青系ばっかり)、黄が5個(黄系メイン)、緑が10個(緑系メイン)となっています。